Kawada shokai
2nd:アミノ酸のきかせ方
■葉面散布はどう効くのか?
太い根からはたった10%の養分しか吸われないのに対して、新しく若々しい葉では97.3%も吸収します。葉面からの養分吸収には、葉の裏側が重要なポイント。1平方㎝に80,000個の気孔が空いていてその時々の条件に合わせて開閉、養分の取り込みが行われています。また葉面には無数の微生物が存在し、活動しています。気孔が開放されたとき、これらの微生物が、葉面されたアミノ酸や核酸・有機物などをはじめ、ビタミン・ミネラル分に至るまでの各種の栄養素を内部に持ち込みます。そのメカニズムはまだ解明されていない部分は多くありますが、分かり易く例えるならば、人間の毛穴や汗腺は常に呼吸しており、ハンドクリームや肌荒れを起こしたときに塗る軟膏薬が浸透していくことを見てもその効き目を理解できるでしょう。葉面散布は、カンフル注射みたいなもので、即効的に樹勢をコントロールできる重要な技術なのです。
■なぜアミノ酸?
天候が順調で植物が健全に育っている時には、葉面散布は特に必要としないかもしれません。しかし植物が何らかの原因で弱った時に最も早く的確に効いて樹勢を回復・整えてくれるのがアミノ酸で、人間の救急医療でいうカンフル剤の注射なのです。
アミノ酸とはすべての生命体を構成し維持する多くの細胞のたんぱく質の素で、特にプロリンは甘味、旨味、色艶、芳香性に優れ貯蔵性のよい農作物が採れる。チロシンは生育を促進し、リジンは稲のイモチ病やカビ系の病気に耐性をつけるなど、アミノ酸は生命体の骨格や肉付をするだけでなく、各種の有用な働きを持つ物質なのです。
■葉面散布は使い方とタイミング!
・根の養分要素の吸収機能が低下した時。・土に肥料を施肥できない時。・何らかの災害や管理ミス、連作障害などで弱った樹勢を回復させたい時。・凍霜害や異常気象に耐える力をつけたい時。・日照不足、温度不足をカバーし生育促進、花芽形成促進したい時。など。
ただし1.2回の散布では効果が薄いので少なくとも3~5回の連続散布で効果を確認することが大切です。特にアミノ酸は夜でも吸われるので日没後に散布するのも良いでしょう。
アミノ酸散布には、河田商会の液肥『ゼランS』がおすすめです!